世界の終わり、郵便の中に待ち構えていた災禍

「これを読んでみてくれ。黙読で済む」
神妙な面持ちで人事から手渡された封筒の中から、身はおそるおそる一枚のペーパーを抜き取った。
土埃の感じを被っていたのだろうか。封筒は甚だ汚れている。
読み始める前に覆すと、底に滲んです単語で「2011.3.11」と記されているのが立証できた。
文章本体もまた、封筒と同様に汚れている。
元々は真っ白だったようだが、なんらかの形でこれからじわじわシミし、色褪せていうようだ。
だいぶ不愉快眼識がしたが、身は文章の当事者の一ワード一句、一行一行をつぶさに読み進めていくことにした。

>ここはどちらです
>窓全体が泥濘に覆い尽くされて外部が見えない
>今回、シャッターを開こう賜物ならいっぺんに泥水に飲み込まれるかもしれない
>遠くの方から津波と爆音が押し寄せてきて驚嘆雑音とバースト雑音を最期に、己はまんまと巻き込まれてしまった
>このまま一助が来る感じも無く、ただ死を教える瓦礫雑音だけが得々と聴こえて来る
>時時やってくる無音というのが、心細くもいまは唯一の気がかりを除去する喜びです
>スリルの季節を先送りにするためにはこういう残りから動かずただひたすら一心にやるのみです
>他に生き残るメソッドがあるのだろうか
>誰か己を救ってくれ

2011.3.11http://www.cams247.co/